*****前編 からの続き*****
わたしは数々のセッションを通じて確信しています。
親の立場から親子関係の問題に取り組もうとする親を持った子供は幸せであると。
わたしのところにセッションに来られる方は
両親との関係による傷や痛み 悲しみなどの感情を
ひとつは持っておられる場合が多いのですが
ご両親はたいていその関係に特に問題意識を感じていません。
そういう余裕がなかったからともいえますが
そこまで自分のあり方が子どもに影響を与えているということに
無関心 あるいは気づいていないことがほとんどなのです。
愛しているのに 大切な存在なのに
なぜかイライラしてしまう
この関係をより良いものにして
子供をもっと幸せにしたいし 自分も解き放たれたい
子供を愛する気持ちをもっと素直に感じて毎日を送りたい
と思うからこそ
その関係に問題を感じておられるのだと思います。
それはまさにお子さんに対する愛情そのものであり
自分自身に対する愛情だと思います。
怒りにまかせて叱りとばし
その場はスッキリしてお終い。なんていう親だっています。
そのイライラは「愛」なんですよ!
さて まずですね
あなたは子供のころに ご両親から
我がままや自己主張を抑えることを要求されましたが
実はそれは親の都合であり 正しいこととは限らない
ということを知っておく必要があります。
他に選択肢がなかったので
あなたはそれを受け入れざるをえませんでした。
でも子供というのはそうあるべき、と思うのは間違っています。
だってあなた自身が
「自分の気持ちを分かってもらえなかった」という悲しい気持ちを
抱き続けてきた訳ですよね?
そういう子供ゴゴロを忘れちゃうんですよ!大人になるとね。
でも
だからと言って親が子供の言い分を全部聞いて
全てを受け入れる必要はないのです。
たとえば
「何かが欲しい」と子供が言い張ったとして
それを与えてあげることが 何らかの理由でできないとします。
このとき 与えてあげる必要はありません。
そのことはあまり重要ではないのです。
ただ 子供の「それが欲しい」という気持ちを理解してあげる必要があります。
すると頭ごなしに
「ダメったらダメ!」なんていうことはなくなり
「そっか。**が欲しいんだね?~~だからだね?」
あるいは「どうして**が欲しいの?」
と聞いてあげることができます。
その言い分を聞いたうえで
与えてあげるのか やっぱり与えてあげられないのか
決めて それを伝えます。
「そっか~~だからどうしても欲しかったんだネ。
だけど~~だから今買ってあげられないよ」
という風に伝えることもできます。
それに対して言い分があればまた理解しようとしてみてください。
ここで「聞き分けのない子だ」と思わないようにしましょう。
人生において欲しいものを手に入れようとする時 誰かの力を借りたい時
上記のプロセス「私はこうしたい。なぜならこうだからだ」と伝えることは
とても大切なことですね?
いわゆる「プレゼン」です。
すぐに諦めてしまう子になってほしいんですか?
子供の言い分をきちんと聞いてあげれば
子供も 親の言い分をちゃんと理解しようとしてくれます。
お互いの立場をよく理解して
お互いにとってより良い道を探す
という大切なことを教えてあげることのできるチャンスではないでしょうか?
ダラダラとまとわりつく時には
たいていの場合淋しいのでそれを満たしてあげます。
その上でいつまでもダラダラと付き合わなくてもOKです。
(一番手っとり早いのは「可愛い~~い♪」とか「だぁい好き」とかなんとかいって
ぎゅぅ~っと抱きしめれば 「やめてよ」なんて口ではいいながら
満足して遊びに戻ります)
普段から言い分をきちんと聞いてあげれば
こういうまとわりつきとかは特別な場合を除きあまりなくなります。
(熱出す前とか体調が悪い時にもこういうことがあるので そのあたりも気をつけてみます)
どうしても怒りが爆発しそうな時には
まず物理的にその場から離れます。
ひとりになり その怒りに身を委ねます。
枕をたたいたりしてもOK.
その怒りを子供にぶつけてはいけません。これは絶対のお約束。
そうして怒りのエネルギーがリリースされたところで
上記のプロセス(=「なぜこうしたのか?」を理解する)に続けます。
「どうしてこうしたかったの?」と聞いてみてください。
たいていの場合その理由は無邪気なものです。
その上でママ((パパ)はどう感じたのかを伝えるなり
こうしてほしいと思うけどどう思うか?
と言い分を聞きましょう。
正しいことを押し付けるのではなく
そのことでこういう風に思う人がいる
という様々な立場を理解する子になってもらうためです。
正しい行動をするすべての人の心が 必ずしも
優しい訳でも清らかな訳でもないことは みなさんもよくご存じでしょう。
ひとの立場や気持ちを理解することのできる子になりさえすれば
善悪はおのずと判断できるようになります。
インドの家庭の風習に関して聞いたのですが
インドでは母親は父親と子供が食べ終わるまで食事をしないのだそうです。
すると自然に子どもは食べたいものでもお母さんのために残しておくことを覚えるのだそうです。
まず自分が思いやりを示すことで
思いやりの心を教えることなく育てることができるのですね。
美しいことだなあ と思いました。
感情的に自分の思いを通す子になってほしくないなら
自分の思いで子供に何かを押し付けないことです。
しつけと称しての押しつけは暴力の一種であり 子どもの心に不信を抱かせます。
その成長は目覚ましく子供はすぐに大きくなります。
大切なその自分の命を捧げてもいいと思えるほどの
無条件の愛を感じさせてくれるかけがえのない存在が
あなたの側にいるということ
そのこといつも忘れないでいてくださいね。